ポケットWiFi(PocketWiFi)とは厳密にはワイモバイルの登録商標ですが、一般的には持ち運びできるモバイルルーターのことを言っている人が多数です。
WiMAXも広い意味ではPocketWiFiですが、まずは厳密な定義はどうなのか見ていきましょう。
PocketWiFiとは?
ワイモバイルの登録商標で、モバイルWiFiルーターあるいはその機能(WiFiテザリング)を示します。古くはD25HWから始まり最新機種は603HWです。
PocketWiFiが最初に発売された2009年当時、屋外でノートパソコンを使用してネット接続するには携帯電話をUSBで接続する必要がありました。また通信料金は従量制(時間 or データ量)で高額だったため、長時間外で作業することは考えられませんでした。
そこにワイモバイル(当時はイーモバイル)からPocketWiFiが発売されたのです。
PocketWiFiはUSBの他にWiFi経由でテザリングすることにより、よりお手軽にネットを使うことが可能となったのです。しかも通信料金は定額制。これまで従量制で存分にネットを使えなかったのが、定額制になったことで料金を気にせず使えるようになりました。
またバッテリー持続時間は4時間程度、通信速度は下り最大21Mbps、上り最大5.7Mbpsとなり、外で使っていても固定回線と遜色のない環境を実現することができました。
そのPocketWiFiの最新機種は603HWになります。連続通信時間は8.5時間、通信速度は下り最大612Mbps、上り最大37.5Mbpsとさらにスペックアップしています。
WiMAXとは?
UQコミュニケーションズが発売しているモバイルWiFiルーターです。PocketWiFiと機能は同じですが、使用している電波に違いがあります。
WiMAXの場合はPocketWiFiで使用している4G回線よりも高い周波数帯を使用しているため、電波の届く範囲に制約があります。反面、帯域を広く確保することができるため通信速度を上げやすいという特徴があります。
現在のWiMAX(WiMAX2+と言っている)の通信速度は下り最大440Mbps、上り最大30Mbpsと4G回線とほぼ同等です。最近のモバイル回線はCA(キャリアアグリゲーション)により多数の通信回線を同時に使用することで通信速度をあげているのですが、WiMAXでは4G回線ほど混雑していないために比較的高速に通信することが可能です。
メリット、デメリット
これまでPocketWiFiとWiMAXの違いについて見てきましたが、それぞれ使用している回線を除けば機能に違いはありません。ポイントとなるのは連続使用時間、通信速度、利用料金です。
これらをワイモバイルの最新機種(603HW)とUQコミュニケーションの最新機種(W05)で比較してみましょう。
連続使用時間
PocketWiFiの603HWは6時間(省電力設定OFF時)です。WiMAXZのW05は9時間(ノーマルモード)です。WiMAXのW05の方が連続使用時間としては3時間ほど長くなります。重量は若干W05の方が軽いのですが、それでも連続使用時間は3時間もの差がでてきています。
- 603HW 2,400mAh、135g
- W05 2,750mAh、131g
単純に端末の性能の差ですかね。
通信速度
PocketWiFiの603HWは下り最大350Mbps、上り最大37.5Mbpsの通信速度となります。さらにキャリアアグリゲーション機能でAXGP回線も同時に使用することで、下り最大612Mbps、上り最大13Mbpsの通信速度を発揮することができます。
WiMAXのW05はWiMAX回線と4G回線を併用することができます。通常使用時はWiMAX回線で、下り最大440Mbps、上り最大30Mbpsとなります。さらにキャリアアグリゲーション機能で4G回線を追加することで、下り最大708Mbps、上り最大75Mbpsの通信速度を発揮することができます。
WiMAXのほうが通信速度の面ではまさっていますが、それぞれ通常使用には全く困らない速度となっていますので、どちらを選んでも大丈夫でしょう。
利用料金
料金はどちらも定額制です。加入するプロパイダによっても異なってきますが、五千円/月程度となります。利用するコースによって大きく異なりますので、自分がどのような目的で加入するのかをしっかり考える必要があります。
日常的にネットを使用し、動画視聴にも困らないくらいの通信量を使用するのであれば、通信量の制限が比較的ゆるいWiMAXのギガプランがおススメです。
あまり動画を視聴することはなく、ウェブ参照が中心の場合には7G/月のプランにして利用料金を安く抑えることもできます。
おわりに
PocketWiFiといっても通信方式により様々な契約があります。
しかしながらできることについては各社同等ですので、自分がどのような使い方をするのかをしっかり見極めて、お得に契約しましょう。