インターネットの通信速度が遅くて困っているあなた。
プロバイダを変更しようか悩んでいますね。
でもわざわざ手間や費用をかけてプロバイダを替えたのに通信速度が速くなるとも限りません。
そこで費用をかけずに変更できるIPv6化を検討してみてはいかがでしょうか?
IPv6の役割
そもそもIPv6とは何か?
IP(Internet Protocol)アドレスはインターネット上の住所を表すもの。
インターネットに接続する全ての通信機器に付与される番号で、32ビットで表現されています。
この通信プロトコルであるIPv4は1981年に策定されました。
IPv4を拡張した新しいプロトコルがIPv6です。
主な変更点はIPアドレスを128ビットで表現できるようにすることです。
なぜIPv6が出てきたのか?
IPv4で表現できるアドレスは32ビットなので43億個程度です。
当時はそれでも十分な数でした。
しかし今日のようにインターネットが普及し、直接インターネットに接続する機器が爆発的に増える状況は想定されていませんでした。
これまではローカルネットワークのIPアドレスとグローバルネットワークのIPアドレスを分離するなど、IPアドレスをできるだけ消費しないように運用されてきました。
しかしそれも限界に近づき、グローバルに付与できるIPアドレスはついに枯渇してしまったのです。
そこでIPアドレスを大幅に増やすIPv6への移行が必須のものになってきました。
IPv6の効果
将来的には全てのIPアドレスがIPv6に移行するでしょう。
もともとはアドレス枯渇問題に対応するため策定されたIPv6。
こちらに移行すると通信速度が速くなると言われている理由は何なのでしょう?
IPv6は通信速度が速い?
IPv4とIPv6では細かな違いは色々ありますが、大きな違いは付与できるIPアドレスの数です。
2の128乗(1兆×1兆×1兆)という膨大な数を付与できます。
このIPv6、移行すると通信速度が速くなると言われていますが厳密には違います。
現在主流の方式であるIPv4ではグローバルネットワーク(インターネット)に接続する際、インターネットプロバイダ(ISP)とNTTの接続ポイントである「網終端装置」を通過します。
「網終端装置」は各ISPがNTTと契約するものですが、ユーザー(通信セッション)単位で契約しています。
そのため、同一の「網終端装置」に収容された中にヘビーユーザーが含まれていた場合、その「網終端装置」で混雑してしまうという事象が発生しているのです。
IPv6だと「網終端装置」は経由しません。
厳密にはIPv6のIPoE(IP over Ethernet、ネイティブ方式とも言われる)接続方式です。
この接続方式だとVNEと呼ばれる通信事業者がIPアドレスを払い出し、NTTとVNEが直接接続するのでボトルネックがなくなりました。
これまで各ISPは回線設備を所有してNTTと接続し、インターネット通信サービスを提供していました。
しかしIPoE接続方式の場合だとVNEから回線を借りて運用するので回線設備は不要です。
各ISPはIPoE接続方式だとユーザーのアカウント管理だけおこなう役割になったのです。
将来的にIPv6に移行するユーザーが増えるとVNE事業者がボトルネックとなる可能性はあります。
しかしセッション単位で管理している「網終端装置」と比べ、通信量によって回線増設可能なIPoE接続方式の場合、混雑の解消は容易だと想像できます。
IPv6サービスの名前
IPv4からIPv6に移行するにはプロバイダとの契約変更が必要です。
プロバイダによってサービス名は異なりますが内容は同じです。
- v6プラス
- v6アルファ
- IPv6オプション
- v6エクスプレス
など。
ほとんどは無料のサービスなので追加費用はかかりません。
IPv6対応プロバイダについては次のページによくまとまっているので参照してみてください。
フレッツ・v6オプション
プロバイダのIPv6サービスを受けるのに必要な条件としては「フレッツ・v6オプション」です。
これはもともとNTTのフレッツ網内だとIPv6で直接通信できるサービスなのですが、プロバイダのIPv6サービスを申し込むときには必須です。
こちらも無料サービスで、申込みしていなければプロバイダが代理で申請してくれます。
IPoE接続のIPv6だと通信速度の向上が期待できる
将来的には全てのIPアドレスがIPv6に移行するでしょう。
現在のIPv4だと「網終端装置」がボトルネックとなって通信速度が低下している場合が多くあります。
各プロバイダも「網終端装置」を増設しようとNTTと折衝していますが、通信量をもとに増設できないということで費用負担面で難航しています。
その点、IPv6のIPoE接続方式だと通信速度の向上が期待できます。
ボトルネックとなっている「網終端装置」を経由しなくてもよいので、設備の増設が柔軟におこなえるからです。
しかも変更にかかる追加費用はありません。
あなたのプロバイダ、ルーターが対応しているのであれば是非変更しましょう。